ビザと在留資格の違い

2025年6月6日 2025年6月6日

SID

よく「就労ビザ」や「観光ビザ」などの単語を耳にします。「ビザ＝外国人が持っている資格」という印象が強いかもしれません。しかし実際のところ、「ビザ（査証）」と「在留資格」は、制度の性質も管轄もまったく異なる別物です。ビザと在留資格の違いを見ていきましょう。

◆ ビザとは何か？ ─日本に「上陸する」ための外部証明

ビザとは、正確には「査証」と呼ばれ、日本国外にいる外国人が日本に入国する際に、その“入口”を通過するために必要な事前の承認です。

これは外務省の在外公館（大使館や領事館）が発行し、**「この人物に対して、入国審査を受ける資格を与えてよい」**という“推薦状”のような機能を持ちます。

✅ ポイント：ビザは「入国前」に必要な“形式的な推薦”

しかしビザそのものには、「日本に滞在してよいかどうか」「何の目的で滞在するのか」といった滞在の中身に関する効力はありません。

一方、在留資格とは、外国人が日本国内において合法的に滞在・活動するために必要な「資格」であり、これは入国後に出入国在留管理庁が付与・管理するものです。

日本の出入国管理制度では、すべての外国人に対して「どのような目的で日本に滞在しているか」を定義づける必要があります。これが「在留資格」であり、就労、留学、家族滞在、永住など、具体的な活動内容によって分類されています。

✅ ポイント：在留資格は「入国後」に付与される“実体的な許可”

在留資格は、滞在可能な期間、活動の範囲、更新や変更の可否などにも直結しており、外国人が日本での活動・生活をするための根拠となるものです。

ビザと在留資格を混同する最大の理由は、“ビザ”という言葉の汎用性の高さにあります。日本ではメディアや生活現場でも「就労ビザ」「学生ビザ」といった表現が一般的ですが、これは実際には「就労の在留資格」「留学の在留資格」を指しています。

✅ 「◯◯ビザ」は俗称であり、法的には“◯◯という在留資格”が正式表現

外国人が日本に滞在するには、まず外の扉を開く“鍵”としてビザが必要であり、その後中で生活するための“契約内容”として在留資格が必要になります。

この違いを正しく理解することで、制度の流れや手続きの目的がより明確に見えてきます。行政手続きの現場においても、国際交流に関わる場においても、この二つを混同しないことが信頼性の第一歩となるでしょう。

●ビザ取得のやり方がわからない

●自分で申請したけど許可がおりなかった

●更新期限がせまってきて間に合うのか心配

●転職が決まったけど忙しくてビザ変更するひまがない

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